21世紀の日本経済が明るいか、暗いかについて、著者は3つの供給要因から分析しています。
(1) 労働力
これは期待できない。なぜなら、少子化が進むため。
2050年までは、生産人口は毎年0.9%ずつ減少する。
(2) 資本ストック
これは貯蓄率に左右される。
これも期待できない。なぜなら、高齢化が進むため。
一般に、若いときに貯蓄して、老後に貯蓄を切り崩す。
(3) 技術進歩
経済学には、技術進歩をはっきりと予測する術がない。
不確実な部分が多すぎるため。
学力低下が問題視され、日本の技術進歩のペースも落ちる懸念あり。
ということで、3つの供給要因のすべてで、経済成長の可能性は見出せません。
現在の日本は、人口が将来的に増加していくことを前提とした年金制度社会保障のしくみで成り立っています。そのため、少子高齢化でも国がうまく回っていくような経済であることが望ましいことになります。
これらの課題をいかに解決していくかも経済学に課せられたテーマなんですね。
<参考>
・景気がよいという現象
売れ行きがよくなる→支出
生産が増える→生産
所得が増える→所得
つまり、支出、生産、所得がよくなる
三面等価の法則
・経済の大きさ
GDPではかる
国内総生産という言葉でも、実際には支出の組み合わせとして
説明されることが多い
・景気の良し悪しの判断
経済活動の変化の方向で判断するか
経済活動の水準で判断するか
どちらで判断するかは難しいが、今後の景気変化に関心が
ある場合は、変化の方向で判断することになる
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